原子爆弾
核分裂物質であるウラン235(またはプルトニウム239)の原子核は、1個の中性子がぶつかると分裂し、このとき、2個か3個の中性子が飛び出すと同時に、膨大なエネルギー(高い熱や人体に危険な放射線)を放出する。飛び出した中性子は、別の原子核にぶつかり同様に分飛び出した中性子は、別の原子核にぶつかり同様に分裂し、エネルギーと中性子を放出する。この核分裂がごく短い時間に連鎖的に広がり、瞬間的に非常に強大なエネルギーを生み出すことに注目し、それを殺りく兵器として利用したのが原子爆弾(原爆)である。
マンハッタン計画
1939年に第2次世界大戦が起こると、アメリカのルーズベルト大統領は、原爆開発の着手を命じた。1942年8月にスタートした「マンハッタン計画」と呼ばれる原爆開発計画は、多額の国家予算と膨大な人員を投入して極秘のうちにすすめられた。
ウラン爆弾・プルトニウム爆弾
広島に投下された原爆「リトルボーイ」
長崎に投下された原爆「ファットマン」
広島型原爆の模式図
投下された原爆の概要
原爆の被害
原爆は、核分裂により放出され巨大なエネルギーにより、大量破壊と大量殺戮を、瞬間的に一斉に引き起こす兵器である。そのエネルギーは熱線、爆風、放射線となり、それらが相乗作用し、大きな破壊力を生み出し、広島、長崎の市街地は壊滅的な打撃を受けた。また放射線による後障害によって、被爆者は継続的に健康が破壊され、いつ発病するかわからないという不安を抱きながら生活せざるをえない状況におかれている。
急性障害は、4~5ヵ月くらいでほぼ終わったが、被爆後5、6年して、白血病患者が増加するなど、後障害が大きな問題となった。後障害の特徴的なものは、やけどがなおった跡が盛り上がるケロイド、白内障、白血病、甲状腺ガン、乳ガン、肺ガンなどのガン、体内被爆者に生じた知的障害、発育不全をともなう小頭症などがある。
---0.3km 鉄橋の床が横に移動。
---0.8km 鉄筋コンクリート、耐震設計のもの以外、ほとんど完全破壊。
---1km以内 瓦があわ状の火ぶくれ。
---1.4km以内 瞬時着火。人体の致命的なやけど。
---1.8km この辺まで、すべての建物が大破、修理不能。
---2km 大火災発生。人体に3度のやけど。
---2.5km 部分的火災。人体に2度のやけど。
---2.6km この辺りまで中損害。使用不能。木造は修理不能。
---3km 木材や黒い衣服がこげる。人体に1度のやけど。
---3.2km この辺りまで部分損害。木造は修理すれば使用可能。
---3.6km 窓ガラス全破。
---約15kmまで 軽損害。窓ガラスの破損あり。
音速をこえる衝撃波(空気の壁)のあと、音速以下の空気の流れが移動した。1秒後に約750m、10秒後に約4km、約30秒後に11kmに達したあと、消滅した。
原爆放出エネルギーの影響
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広島市の被災地図
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長崎市の被災地図
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●更新情報●
11/10 原爆と戦争展のご報告とご来場者の声アンケート掲載
戦争で犠牲となられた方々の御霊に謹んで哀悼の意を捧げます。そして、今もなお被爆による後遺症で苦しんでおられる方々に心からお見舞い申し上げます。
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