福島原発事故
福島原発事故の概要
3月11日、東北地方三陸沖を震源とするマグニチュード9.0、最大震度7の巨大地震が発生。押し寄せた最大30㍍以上の津波が、三陸地方を中心とした沿岸部の町町を襲った。
東京電力・福島第一原発では、地震によって自動停止したものの、直後に到達した高さ14㍍以上もの津波によって13台ある非常用ディーゼル発電機のうち12台が使用不能になり、外部電源がすべて失われた。地震から2時間後には炉心溶融(メルトダウン)を防ぐための原子炉冷却システムが喪失し、原子炉内の温度が上昇。3月12日~15日までに一、二、三号機で立て続けに水素爆発が起こり、定期点検のために停止中だった四号機では使用済み燃料プールで火災が発生した。
3つの原子炉では核燃料を閉じ込めている「5重の壁」が完全に崩壊し、一号機では地震発生から5時間後にはメルトダウンが始まっていたことが明らかになっている。だが当時、政府も東京電力もそのことを明らかにしなかった。福島第一原発から漏れ出した放射能は、すでにチェルノブイリ事故の10分の1といわれ、その多くが初期段階で放出されている。
福島第一原発から半径20㌔圏内、福島第二原発から10㌔圏内の「警戒区域」に入る原発立地町の双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町をはじめ、5月に入って定められた「計画的避難区域」も含めると全住民が避難する飯舘村(6,200人)、葛尾村(1,600人)、広野町(5,400人)、川内村(3,000人)、一部住民が避難する南相馬市(14,200人)、田村市(約380人)、川俣町(約1,000)の11自治体の約10万人が避難対象となった。住民には原発事故の影響について説明はなかったため、多くの人人は着の身着のままで20㌔圏外の避難所へ搬送された。
さらに原子炉建屋地下に溜まった汚染水の処理が難航し、地震で亀裂の入った放水口から高濃度汚染水が海に漏れだしたうえに、東電は25,000㌧もの汚染水を海に放出したため、宮城県、福島県、茨城県をはじめ太平洋沿岸漁業に甚大な被害を与えた。
また、福島県内をはじめ、岩手県、宮城県、茨城県、群馬県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県などの広範囲で、水道水、牧草、農産物、水産物、校庭の土壌などを汚染。規制値を超える放射線量が検出され、あいつぐ出荷停止で第一次産業に大被害を与えている。
●更新情報●
11/10 原爆と戦争展のご報告とご来場者の声アンケート掲載
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