福島原発

日本中の原発を止めろ

日本中の原発を止めろ

地震活動期に入った日本

 

 ▸国をはじめ一部マスコミからの「直ちに影響はない。心配することはない」という情報だけを私たちは聞かされてきた。村の講演会でも、長崎や広島から来た偉い肩書きの先生たちが「なんにも心配するな。今の状況はタバコの煙より怖くない」とさえいった。

 ある日を境にてのひらを返して国は「この村から出ていけ」といっている。この危険な状況は国と東電の安全無視の政策によって引き起こされたものだ。出ていけというのなら「全責任をとる」と国の口からいうべきだ。震えるような怒りを持っている。

(飯舘村・農業男性)

 

 ▸爆発の日に雪が降り、飯舘村に積ったことから放射線量が高くなった。当初は今より高い数値が検出されていたのに、その間は放置していて、今頃になって出て行けという。いったいどういうことなのか。私たちにとって牛は家族同然。簡単に殺してしまうことはできない。

(飯舘村・和牛農家)

 

 ▸飯舘村は強い岩盤の上に村があり、地震に強く安全だということで、2~3年前から東電の原発廃棄物を村の地下500~600メートルに埋めたいという話が来ていた。

(飯舘村・農家男性)

 

今後30年以内に震度6以上のゆれに見舞われる確率

 

地震学者・石橋克彦氏(当時・神戸大学教授)の国会公聴会での公述

 

 日本列島の大地震の起こり方には、活動期と静穏期というのが認められる。これは地学的物理的に根拠のあることだ。

 

 非常に重要なことは、敗戦後の目覚ましい復興、それに引きつづく高度経済成長、さらには、技術革新の波に乗って都市が非常に利便性を高めた、高度に集中した都市が発展したというのは、たまたまめぐり合わせた日本列島の大地震活動の静穏期に合致していたということだ。つまり、大地震に洗礼されることなく現代日本の国土や社会というのはでき上がっているのであって、基本的に地震に脆弱な面を持っている。

 

 ところが、現在、日本列島はほぼ全域で大地震の活動期に入りつつあるということは、ほとんどの地震学者が共通に考えている。ということは、非常に複雑高度に文明化された国土と社会が、人類史上初めて大地震に直撃される。それも一つではない、何回か大地震に襲われる、そういうことである。

平成17年(2005年)2月23日

 

 

トイレのないマンション

 

 福島第一原発事故で、原発の建屋の上の方にプールがあり、そこに使用済みや定期検査中に一時取り外した燃料棒が水につかって保管されていることが明らかになった。

 

 こうした核燃料(放射性)廃棄物の最終処理の方法については、決まらないまま地震大国に原子力発電所が54基も建設されてきた。原発を運転すれば必ず放射性廃棄物が生み出されるというのは、事前に分かっていることである。このため、多くの専門家が「トイレのにないマンション」だとその無謀さを警告してきた。

 

 現在、二兆円を投じて建設された六ヶ所村の再処理工場は稼働が遅れ続け、高レベル廃棄物の大半はフランスの再処理工場で再処理されている。再処理工場でウランとプルトニウムを抽出した後、最終的にまったく利用価値のない高レベル廃棄物が残る。この最終処分場も決まっておらず、使用済み燃料がドンドン貯まる一方となっている。

 

石橋克彦・神戸大学名誉教授

 毎日増え続ける使用済み核燃料は、非常に強い放射能をもち、10万年以上にわたって生活環境から隔離しなければならないやっかいな「核のゴミ」である。再処理してガラス固化体の強烈な放射能と発熱が減少するのを30年から50年待ったのち、深さ300メートル以深の地下に埋め捨てて、岩盤が10万年以上も放射能を閉じ込めてくれるのを期待する方式(地層処分)は、未来世代に途方もない迷惑をかける可能性の高い、無責任な賭けだといえる。今後10万年間には、地表付近の活断層とは関係なく、どこで大地震が起こるかわからない。

 

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